お悔やみの手紙を出すときのマナーと文例|弔電とは何が違う?
「お悔やみの手紙」と「弔電」は通夜や葬儀・告別式に参列できないときに送るものです。
誰しも訃報がいつ訪れるかはわかりません。訃報を受けたら、通夜か葬儀に参列して故人に最期の別れを告げるのが、せめてもの贐(はなむけ)であり、大人としてのマナーといえるでしょう。
しかし、どうしても通夜や葬儀・告別式に参列できない場合があると思います。そんなときに手配するのが、お悔やみの手紙と弔電です。
今回は、お悔やみの手紙の書き方やマナー、弔電との違いについてご紹介します。
お悔やみの手紙とは
突然の訃報で葬儀などに間に合わない場合、お悔やみの手紙か弔電を出すのが一般的です。お悔やみの手紙は香典も同封することができます。
弔問に伺えない場合につづるもの
便箋と封筒を使用して送る
お悔やみの手紙を書くときは、便箋と封筒を用います。書式に決まりはないものの、時候の挨拶を省く、「忌み言葉」を避けるなど、弔事の一般常識には注意が必要です。
お悔やみの手紙は故人をしのぶためのものです。通夜や葬儀などのスケジュールもあることから、訃報を受けてすぐに送るか初七日までには送りましょう。
また、お悔やみの手紙には、香典も同封できます。四十九日より前であれば「御霊前」と書かれたものを使用し、四十九日以降では「御仏前」と書かれたものに包みます。ただし、浄土真宗を信仰している人の場合は四十九日より前でも「御霊前」とは書きません。宗派がわからない場合は「御香典」とするのが無難です。
もし、告別式に間に合わせる形で弔電を手配した場合は、後からお悔やみの手紙とともに香典を送っても良いでしょう。
お悔やみの手紙のマナー
お悔やみの手紙を送る際は控えめなデザインの便箋や封筒を選びます。また、文面は忌み言葉や露骨な言葉を避けて丁寧な表現を心掛けることも大切です。
便箋や封筒はシンプルかつ一重のものを選ぶ
文章に気をつける
故人と遺族の信仰している宗教が仏教とわかっているなら結語として「合掌」を用いますが、信仰している宗教がわからなかったり、仏教以外を信仰していたりする場合は、遺族に対するいたわりや励ましの言葉で締めくくります。
忌み言葉はNG
香典を送る際のマナー
お悔やみの手紙の文例
ここでは、「お悔やみの手紙の文例」を4つのパターンでご紹介します。書く際の参考にしてください。
4パターンで見る文例集
- 香典なしの文例/父親を亡くした友人に宛てて送るケース
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ご尊父様(お父様)のご逝去の報せを受け、驚くばかりです。
ご家族の皆様のご心痛、お察し申し上げます。
本来であればご葬儀に伺うべきところ、事情によりかなわず、誠に申し訳ありません。
略儀ではありますが、書中をもちまして、心よりお悔やみ申し上げます。
ご家族の皆様、くれぐれもご自愛ください。 - 香典ありの文例/母親を亡くした知人に宛てて送るケース
ご母堂様(お母様)のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
かねてよりご体調が優れないとのお話を伺っていたものの、驚くばかりです。
本来であれば、ご葬儀に参列し、ご焼香させていただくところですが、
遠方にてかなわないため、お手紙のみとなりましたことをお許しください。
心ばかりではありますが、御香料を同封いたします。ご霊前にお供えいただきますよう、お願い申し上げます。
まずは書中にて、謹んでご冥福をお祈りいたします。合掌
- 親しかった人が亡くなった場合に遺族宛てに送るケース
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大変ご無沙汰しております。××小学校にて○○さんと同級だった、△△△△と申します。
このたびの訃報を耳にし、呆然とするばかりです。
昨年お会いしたときは、お元気そうで、懐かしいお話をたくさんさせていただきました。
本当に残念でなりません。
私事で恐縮ですが、現在療養中でご葬儀に伺うことができないため、
帰郷した際にはすぐにでもご霊前にお参りさせていただきたく存じます。
まずは書中にて、心よりお悔やみ申し上げます。合掌
- 取引先に送る場合の文例
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貴社代表取締役社長○○○○様のご永眠に際しまして、心よりお悔やみ申し上げます。
突然の報せに戸惑いを隠せません。
ご生前中は公私にわたってひとかたならぬご厚情を賜り、
恩返しもかなわぬままとなってしまったことを残念に思います。
ご遺族様をはじめ、社員の皆様のお嘆きも、いかばかりかとご拝察申し上げます。
本来ならば直接お悔やみ申し上げるところ、遠方のためかなわず、
略儀ながら書中をもちまして、謹んで哀悼の意を表させていただきます。合掌
弔電とは何が違う?
弔電とは弔事専用の電報で、お悔やみの手紙同様、弔問に伺えない場合に送るものです。弔電とお悔やみの手紙は用途こそ同じものの、いくつか異なるポイントがあります。
お悔やみの手紙との違い
一般的に告別式では、お悔やみの手紙にはない「弔電披露」が行われます。弔電披露は喪主の希望で省略される場合もありますが、お悔やみの手紙が弔問の席で読みあげられることはありません。
告別式の1時間前までに届くようにする
弔電もお悔やみの手紙も、訃報を受けた後すぐに送るのが原則です。ただ、弔電はお悔やみの手紙と違って読みあげられる場合があるため、通夜か告別式の前に届くよう手配します。もし弔電が告別式の最中に届いてしまうと、かえって迷惑をかけてしまうかもしれません。弔電は基本的には通夜の前までに送るか、遅くとも告別式の1時間前には届くよう手配しておきましょう。そのため、事前に通夜や告別式の時間を確認しておくことも大切です。
香典と弔電は一緒に送れない
お悔やみの手紙では香典を同封できますが、弔電と香典をセットで送ることはできません。主な理由として、電報サービスと現金書留は別物だからです。その代わり、電報サービスの中には、お線香や供花がセットになっている弔電を提供しているところもあります。
もし弔電を送って香典も送りたいときは、弔電を手配した後に、お悔やみの手紙とともに現金書留で香典を送付します。
弔電のマナー
忌み言葉を使わない、相手方の宗教に気をつけるなど、基本的なマナーはお悔やみの手紙と一緒ですが、それ以外にも注意点があります。
宛先と宛名に注意する
故人の自宅ではなく、斎場で通夜や告別式が行われる場合、弔電は斎場に送るのがマナーです。その際、宛名は「喪主のフルネーム」を記載します。喪主のフルネームがわからない場合は、「○○家 ご遺族様」とすれば失礼にあたりません。
差出人名にも気を配る
弔電を送る際には、故人との関係性を明記するのもマナーです。個人であれば差出人の横に「○○学校 ○年卒業」などと間柄を添え、仕事上の関係であれば役職名や入社年などを記します。また、団体で弔電を送るときは、会社名や組織名などとともに代表者名を記すか、連名にするのが一般的です。
文面では敬称に気をつける
喪主の実の父親が亡くなっている場合は「ご尊父様」、喪主の配偶者の父親が亡くなっている場合は「ご岳父様」とするなど、メッセージ内で故人について触れる場合は、喪主との関係性に従って敬称を使う必要があります。
弔問できないときは、お悔やみの手紙か弔電の手配を
突然の訃報に対して事情によりお別れの挨拶ができないとしても、故人や遺族への思いはお悔やみの手紙か弔電で届けることができます。 電報サービスを利用すれば、24時間どこでもインターネットから簡単に注文できるほか、お線香や供花などのお供えがセットになっているものを送ったり、Webサイトで紹介されている文例を使ったりすることも可能です。 訃報を受けて弔問できない際は、どのような形で弔意を伝えたいか、告別式や初七日に間に合うかといった点で、お悔やみの手紙と弔電を使い分けると良いでしょう。